日本におけるてんかん患者数について

日本国内のてんかん患者数は約100万人と言われています。
一生涯の間に1回でも発作を起こす人は、人口の10%です。2回以上発作をおこす人で4%です。
頻繁に発作を起こして、てんかんと診断される人は、100人に1人で1%だとされています。

てんかんと聞くと、こどもの病気だというイメージを持つ人が多いのですが、子どもだけではなく、あらゆる年齢層で起り得る疾患です。
最多は3歳以下ですが、60歳を超えた高齢者も脳血管疾患が原因となっててんかんを起こす人が増えています。

てんかんの発症率は、人口1000人に対して4~9人で、0.4~0.9%とされています。
約100万人のてんかん患者のうち、80%の患者さんは発作を上手くコントロールして健康な人と変わらない日常生活を送っていますが、残りの20%の患者さんは発作のコントロールがうまく行かない難治性のてんかんです。
つまり難治性のてんかんの発症率は0.01%くらいだという計算になります。

てんかんの診断は神経内科の専門医が行わなければ難しいことも多いですが、世界71ヶ国には人口10万人あたり1人以下の神経内科の専門医しかいません。
ナイジェリアなどの外国では、人口10万人あたり0~0.1人の神経内科医師しかいません。
日本には人口10万人当たり4人の神経内科医がいて、約0.01%の割合です。
この数字は、世界的に見ると多い方です。

そのため、日本は外国と比べると、てんかん患者さんが発見される確率は高いといえるでしょう。
しかし、それでもまだ、未診断の患者さんや潜在患者さんはたくさんいると考えられています。
特に認知症だと思われている高齢者の中には、実はてんかんが隠れているのではないかと思われる症例もたくさんあるようです。
治る可能性のある疾患が見逃されているというのは、非常に残念なことです。

また、小児の場合は発作が続いていると、脳の発達が妨げられてしまうので、見逃すことのないようにしたいものです。
まずは、誰にでも起り得る疾患だという認識を持ちましょう。

外国と日本のてんかん患者数を合わせるとどれくらい?

世界のてんかん患者数は人口の約0.5~1%で、5000万人と言われています。
そのうち100万人が日本の患者さんですから、日本の発見率の高さが判ります。

また、世界のてんかん患者の半数以上がアジアにいると推定されています。
年間有病率、生涯有病率、てんかん発症率は、中低所得国で低い傾向があります。
てんかんの患者数は世界規模では5000万人とされていますが、その大半は先進国だと思っても良いでしょう。

世界中には、てんかんだと診断されることなく放置されている患者さんが、まだまだたくさんいると考えられます。
特に発展途上国では、急に意識を失って倒れてしまうてんかん発作を、病気だとは思わずに、悪魔が乗り移ったとか、霊が取りついたなどと考えているケースもあります。
何らかの病気だと思っているケースでも、てんかん以外の病気だと診断されていることが少なくありません。

また、てんかんがあっても、他の病気に伴う場合は、元の病名を記入していて統計としてあがって来ないケースも多々あります。
例えば脳卒中が原因で起ったてんかんは、脳血管障害としてカウントされていて、てんかんとしてはカウントされないことが多いです。
このようなものも含めると、実際にはもっともっと多くの患者さんがいると推計されます。

モンゴルでは、近年てんかん患者が増加しています。
しかしその原因の大半は交通事故による頭部外傷によるものです。
モンゴルでは、まだまだ専門医がいない、診断に必要な設備がない、病院までのアクセスが良くないため、診察を受けたくても病院まで行けない人が多いなど、多くの問題を抱えています。
日本からも専門医が支援に行っていますが、このような国がまだまだ多いというのが現状です。